更新・お知らせ

経鼻インフルエンザワクチン(フルミスト🄬点鼻液)に関するお知らせ

2024年12月27日
長野県立こども病院
予防接種センター・感染制御室

今秋から国内でも認可された新しいインフルエンザワクチン(商品名フルミスト)は、鼻の中にスプレーで吹き入れるタイプの生ワクチンです。予防効果は従来の注射(不活化)ワクチンと同等とされていますが、いくつか異なる点もあります。
当面、長野県立こども病院では本ワクチンを使用しませんが、関連する注意点についてお知らせします。

  • 国内では経鼻ワクチンは2歳から19歳未満の方のみ適応となっています。
  • 経鼻ワクチンは生ワクチンです。非常に弱められていますが、インフルエンザウイルス自体が含まれています。一方、従来の注射ワクチンは不活化ワクチンで、ウイルスは含まれません。
    そのため経鼻ワクチンを受けたあと数日から10日間ほどは鼻汁や唾液からワクチン由来のウイルスが見つかることがあります。また程度は軽いものの発熱、咽頭痛、咳などのカゼ症状を来すこともあります。他の人への感染力は非常に弱いと考えられています。
  • 他の生ワクチンと同様、妊娠中の方や免疫抑制状態にある方は接種を受けられません。
  • 当院では喘息、先天性心疾患、免疫抑制状態、無脾症など基礎疾患のある方やアスピリン内服中の方、および妊婦と授乳婦のインフルエンザ予防には従来の注射ワクチンのみを推奨します。(日本小児科学会予防接種・感染症対策委員会の「経鼻弱毒生インフルエンザワクチンの使用に関する考え方」(2024年9月)に準じています。)

以下、当院の受診や入院、手術等に関わる点についてお知らせします。

外来受診について

受診患者さん、ご家族ともに経鼻ワクチンを受けていても外来受診に特に制限は設けません。ですが、接種後数日で鼻水、微熱、咳などのカゼ症状を来すことがあります。その際は院内でのマスク着用、手指の消毒にご協力ください。

入院について

入院前に経鼻ワクチンを受けていても原則として入院できます。ただし、経鼻ワクチンを接種した日(0日目)から14日経過するまでは免疫抑制状態の方と同室はできません。
15日目以降は同室者の制限はありません。また、本ワクチン後に咳・発熱などのカゼ症状を来している場合は、副作用かどうかに関わらず入院できない事があります。
ワクチン接種の有無によらず、鼻水、微熱、咳などの症状がある場合は病院内でのマスク着用、手指の消毒をお願いします。

免疫抑制状態にある患者さんのご家族、面会者

免疫抑制状態の患者さん(血液腫瘍疾患や臓器・骨髄移植後、各種免疫抑制剤を使用中の方さんなど)と直接接触するご家族、ご面会の方は経鼻ワクチンではなく、従来の注射のインフルエンザワクチンの接種をお勧めします。

経鼻ワクチンと全身麻酔・手術とのタイミング

原則として、他の生ワクチンと同様です。
全身麻酔の手術前:3週間以上前に接種を済ませておく
全身麻酔の手術後:1週間以上たってから接種
人工心肺装置の使用後:2か月以上たってから接種

以上です。
何かご不明な点がございましたら、予防接種センターまでお尋ねください。

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