こども病院について

院内学級

院内学級で学習する児童・生徒は、長野県立こども病院に入院している小中学生です。病院の中に学校があるので、もし長い入院になっても、治療の合間に学習を進めることができます。また、治療の関係で病院の2階にある教室に通うことができないお友だちには、ベッドサイドでの学習支援を行います。病室のベッドサイドに先生が出向いて、一緒に学習をしています。

院内学級ってどんな学校?

「院内学級」とは、病院の中に開かれた学校です。長野県立こども病院には、小学校の「ひまわり学級」と中学校の「瑞穂学級」があります。

院内学級にいる先生は4人です。長野県立こども病院の学区内にある安曇野市立豊科南小学校と豊科南中学校から2人ずつの先生が派遣されています。ですから、院内学級は、豊科南小学校と中学校の「分教室」ということができます。小中学校の先生方が2人ずついるので、一人の先生が教室で登校してきた児童生徒に学習指導をし、もう一人の先生がベッドサイド学習を行っています。

院内学級ってどんな学校?

指導方針

病気を理由に途切れさせない

1.学ぶ意欲を途切れさせない

どこにでも学習に行くよ!
  • 院内学級で!
  • ベッドサイドへ!

2.原籍校との連絡を途切れさせない

笑顔で原籍校に戻ろう!
  • 原籍校とお便り交換!
  • 個別打ち合わせ会!
  • 復学コーディネート!
  • 笑顔の復学支援事業!

学籍について

院内学級に通う児童生徒は、長期の入院の際には、学校の出席を確実にするために、いったん安曇野市立豊科南小中学校に学籍を異動します。ただし、住所の変更はしない特別な転校となり、退院と同時に、前籍の学校に復学します。また、短期の入院の際には、学校の籍の異動をしなくとも、同様に学習支援を受けることもできます。

短期入院の患者さん(1ヶ月未満) 長期入院の患者さん(1ヶ月以上)
  • 学籍の異動なし(教育委託)
  • 学籍の異動(転校手続き)
  • 住所変更なし
  • 退院と同時に前籍の学校に復学

学習について

学習は個別支援が中心で、それぞれの前籍の学校と連絡を取りながら、同じ教科書、ワークブックを使い学習を進めます。なぜなら、退院して復学をした時に、すぐに教室に戻ることができることを願っているためです。また、前籍校とはFAX連絡を通して、学級のお便り交換をしています。また、国語や算数の学習プリントを送っていただき、同じ学習をしていくことで、学級との繋がりが切れないように考えています。学級日記を毎日FAX送信してくれる学校もあります。

院内学級には、3つの教室と職員室があり、コンピュータの回線も整備されています。また、児童生徒は入院中のため外部に出ることができないので、外からたくさんのゲストティーチャーをお招きし、習字、七宝焼き、デジカメワークショップ、お話の読み聞かせ、お出かけ美術館 等の講座を開いています。(現在は感染防止対策のため休止中です。)希望があれば、高校生の学習の場としても活用いただけます。

笑顔の復学支援

長野県立こども病院には「院内学級」が設置され、安曇野市立豊科南小学校、豊科南中学校の分教室として位置づいています。それぞれの学校からは、学級担任と、医療と教育をつなぐ「コーディネート教員」が派遣され、日々の学習支援を行っています。

院内学級コーディネーターの仕事は、2つの柱から成り立っています。
一つ目の柱は、学級担任の授業補佐で、主に教室に登校できない児童・生徒のベッドサイド学習を担当しています。
もう一つの柱は、児童・生徒の原籍校と医療との連携を密にした「円滑な学習支援、復学」にあります。
今回はその中から、円滑な復学に焦点をあてた「笑顔の復学支援」について紹介します。

長野県立こども病院の院内学級では、全県から難病治療のために入院した10数名の小中学生が学習をしています。私たちは、自らの位置づけを「仮の学校」とし、入級時から原籍校と連絡を密に取り、原籍学級と同じような学習進度で学習が進められることを目標としています。

入院期間が終わり原籍校に戻ろうという際にみられる、以下のような共通した問題点への対応が具体的な支援内容や支援制度になります。

学校の施設関係について

一つ目の問題点は、学校の施設関係についてです。
整形外科で「ペルテス病」等の治療を経て、復学する児童・生徒は、車椅子や松葉杖での学校生活が強いられる場合があります。
円滑な復学のためには、スロープ、手すり、洋式トイレ、滑り止め等の施設が必要となります。私たちは、主治医、リハ医、リハビリテーション科のスタッフと連絡を取り合いながら、これらの設備の確認を行うとともに、必要に応じて教室移動についても個別交渉を行います。

自宅療養期間中の学習支援

二つ目の問題点は、自宅療養期間中の学習支援です。
血液・腫瘍科で「白血病」等の治療を経て、復学する児童・生徒は、「易感染状態」のため、退院後の数ヶ月間は、集団生活を送ることが難しい状況です。 こうした児童・生徒に対して、従来は「学校に戻れるようになってから」学習を始めることが当たり前となっていましたが、保護者等関係者から「自宅療養期間中でも学習支援、原籍校との連携支援」をして欲しいとの声が長野県教育委員会義務教育課まで届きました。 そこで、義務教育課では、保護者の意見を公聴会等ですくいあげ、「長期入院児童生徒訪問支援事業」を平成17年度より立ち上げました。これは、院内学級のない病院に入院している、または、自宅療養中の児童生徒の居場所に、教育事務所に登録されている先生を派遣し、学習支援・相談支援を行うという事業です。院内学級も相談窓口のひとつになっています。

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