こども病院について

国際交流

 グローバル化の急速な進行は医療の分野も例外ではありません。海外に目を向け医療の標準化を視野に医療を発展させていく必要があります。もちろん、海外のシステムがいくらいいものだからと言って、医療制度や保険制度、さらには文化の異なる海外のシステムをそのまま取り入れることは必ずしも可能ではありません。しかし、海外のシステムを良く知り、それが素晴らしいものであるなら形を変えて取り入れることは可能です。同時に、日本の素晴らしいシステムを世界に発信していくことも必要です。そのためには、海外の医療施設、医療従事者育成施設と直接交流し、直に見聞きすることが極めて重要だと考えます。
 長野県立こども病院は長野県を中心とした高度小児医療の継続・発展を目指し、今までも国際的な学術論文から知識を得たり、学術論文を発表したり、ネットで世界の小児医療システム等を学んだりすることを積極的に実行してきました。加えて、個人個人のレベルでは海外と交流(国際交流)し、医療技術の向上に努めています。
 長野県立こども病院は、さらに高いレベルの小児医療を実現していくという使命とその重要性を鑑みて、個人レベルにとどまらない、組織としての国際交流を本格的に推し進めることを目指しています。

国際交流推進委員会名簿・規程

氏名 役職
統括責任者 中村 友彦 院長
委員長 稲葉 雄二 副院長兼神経小児科部長
副委員長 樋口  司 院長補佐兼総合小児科部長(医師研修担当)
委員 小田  新 新生児科部長(医師研修担当)
委員 江田 真理 キャリア開発室看護師長(看護研修担当)
委員 久保田 紀子 臨床検査科長(医療技術研修担当)
委員 鈴木 英二 薬剤部薬局長(薬剤師研修担当)
委員 長澤 洋介 総務課長(事務研修担当)
委員 戸塚  実 院長補佐兼医療技術部長(渉外担当)

活動報告

Asan Medical Center新生児科チームが本院を訪問されました。

 2023年6月に韓国ソウルのAsan Medical Centerから新生児科医のByoung Sop Lee先生、SungHyeon Park先生、JungIl Kwak先生、看護師のYuri Kimさん、Kayoung Leeさん、Heeyoung KIMさん、Juyeon Leeさんが本院新生児科を訪問され、ドクターカーを含めた長野県の搬送システムや早産児のケアについて実際を見学し、意見交換をしました。看護師チームは互いにベストフレンドと呼び合うほどに打ち解けていました。若手医師2人は3週間滞在し、毎朝夕の回診に参加し、搬送にも同行しました。巨大な国際病院であるAsan Medical Centerでの早産児の管理や横隔膜ヘルニアの治療の実際、韓国の子どもを取り巻く事情についてなど、たくさんの経験と互いの問題点を共有しました。医師チームは、絶好の天気の上高地にも出かけ、交流を深めました。

(2023.6)

インドネシアの新生児科医(2名)の研修を受け入れました

 新生児科では2023年4月3日から14日までの2週間、インドネシア出身の医師(2名)の研修を受け入れました。Dr. Lily Rundjan(リリー先生;Cipto Mangunkusumo Hospital, Indonesia)とDr. Chrissela Oeswadi(ディタ先生;Westmead Hospital, Australia)です。お二人は以前一緒にオーストラリアの病院で勤務していた間柄です。リリー先生は2015年にいらしたので2度目の訪問になります。2週間の間に新生児の心臓超音波検査を中心に毎朝夕の回診に参加し、新生児科の皆で意見交換をしました。臨床経験の豊富な両先生からこちらも教えられることが多くあり、双方に実りの多い研修となりました。

(2023.4.3-14)

ソウル国立大学病院小児病院(連携病院)を訪問しました

 2022年7月7日に交流覚書の調印を行ったソウル国立大学病院小児病院との交流の第一歩として、国際交流推進委員会の代表メンバー7名(医師3名、看護師1名、薬剤師1名、臨床検査技師1名、事務職員1名)をソウルに派遣しました。病院の見学および各職種別のミーティングを通じてお互いを知り、今後の交流の方向性についてディスカッションしました。具体的な交流のスタートとして有意義な第一歩を踏み出すことができました。今後は、先方スタッフの受け入れ、本院スタッフの派遣を継続し、高度小児医療の継続・発展のための一助としていきたいと考えています。

(2023.1.12-14)

Truku大学病院(フィンランド)を訪問し、二国間共同セミナーを開催しました

 本院の中村院長が日本学術振興会に、トゥルク大学のLiisa Lehtonen教授がフィンランドアカデミーに、それぞれ同時申請した二国間共同セミナーが採択され、トゥルク大学でセミナーを開催しました。トゥルク大学NICUはヨーロッパにおいてFamily centered care(家族と一緒に行うケア)を牽引し、それに関する教育プログラムを世界に発信しています。本院から医師4名、看護師と助産師4名が参加し、Family Centered Careの現状、課題、教育方法を学ぶとともに、現地医療者と御家族を交えて、実践の場を体験しました。日本のNICUにおけるFamily Centered Care導入の必要性と課題が明らかになりましたが、本院の新たな取り組みとして、Family centered careの教育プログラムを導入していくため、今後も交流を継続していくことが確認されました。

(2022.8.8-11)

ソウル国立大学病院小児病院との交流覚書の調印式を挙行

 長野県立こども病院はソウル国立大学小児病院と、小児医療における相互協力を目的として、学術交流、医学教育セミナー開催、共同研究の推進の範囲で交流することに同意し、2022年7月7日、本院において覚書を交わしました。

(2022.7.7)

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