こども病院について

院長あいさつ

稲葉 雄二 長野県立こども病院 病院長 稲葉 雄二
 

2024年4月より長野県立こども病院長を拝命しました。1993年の開院以来受け継がれてきた、長野県の小児・周産期医療の最後の砦としての使命を果たし、さらに発展させるべく力を尽くす所存です。引き続き、ご理解とお力添えを賜りますようお願い申し上げます。

当院は、1993年に開院して以来、県内外の医療機関とともに数多くの小児・周産期の患者さんのニーズに対応して参りました。開院時の最大の使命は、新生児・小児の命を救うことでした。地域の病院との強い連携と高い技術に支えられて、開院からまもなく長野県は全国でも有数の新生児・乳児死亡率の低い県となりました。全国第4位の面積を持つ長野県内のどこで重症患者さんが発症しても、速やかに高度医療を提供するために、当院の医療チームが地域の病院に迎えに行く救急搬送システムが大きな力を発揮しています。現在第4代目として日々奔走中のドクターカーは、県内外の篤いご寄付により購入することができ、使用させていただいております。

命を救う医療にゴールはなく、小児の多様な疾病に対応するためには様々な専門医療を必要としています。1994年には14の診療科(常勤医のいる科)であったのが、2023年には26科となり、広がる医療ニーズに応えています。看護部では専門看護師、認定看護師の養成に尽力し、専門性の高い小児看護を提供しています。小児医療に関わる人材の育成は、全職域における重要な使命です。当院での経験を地域に還元し、県内の小児医療全体の水準の向上を目指しています。同時に、未解明の医学課題に取り組むべく医学研究を、生命科学研究センターが支えています。2019年に開講した信州大学との連携大学院では、既に5名の医学博士取得者を輩出し、現在も11名が病院業務を行いながら、研究に邁進しています。

命を救う医療に加え、現在は育む医療の重要性が増しています。医療的ケアを必要としながら自宅で生活し、学校や地域社会に参加することを支える医療、病気や障がいを持ちながら成人期の生活を送れるよう支える医療、そしてこれらを家族と一緒に行うことのできる医療と、こころの健康にも配慮した医療が求められています。これらは30年前には想定していませんでしたので、現在の病院の設備や環境では変遷するニーズに応えるのが難しい部分が出てきており、患者さんやご家族に不快感や不便を強いております。加えて老朽化と修繕を要する部分が増え、将来の当院に求められる機能を検討し、時代にマッチした小児医療を提供すべく、病院建替検討委員会を発足させて活動をはじめています。

コロナ渦の影響と小児ならびに生産年齢人口の減少、物価高騰や不安定な流通など、医療を取り巻く状況は厳しさを増しています。今年度は医師の働き方改革も始まりました。職員の健康と労働環境を守りながら、高度専門医療を提供することが求められています。そのためにはたくさんの仲間が必要です。幸いなことに「電池が切れるまで」の舞台となった当院には、たくさんの同じ志を持った職員やボランティアの方々が集っていただいています。

これからも、「こどもまんなか社会」の担い手として時代に合った小児医療を提供し、長野県内外の皆様に必要とされ、頼られる病院であり続けるために、職員が一つになって取り組んでいけるよう力を尽くして参ります。どうか宜しくお願い申し上げます。

2024年4月1日

長野県立こども病院 病院長 稲葉 雄二

院長略歴

1991年 信州大学医学部医学科卒業
2017年 長野県立こども病院 院長補佐兼神経小児科部長、信州大学医学部 特任教授
2019年 長野県立こども病院 副院長兼神経小児科部長
2023年 長野県立こども病院 副院長兼診療部長兼神経小児科部長
2024年 長野県立こども病院 病院長
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