こども病院について

重要なお知らせ

本ホームページの各紹介ページでご案内している情報から変更になっている事などについて、まとめて掲載しております。ご来院の前やお問い合わせ前にご確認いただきますよう、お願い申し上げます。

RSウイルス感染症予防薬(シナジス®)についてのお知らせ(その2) 2024年4月

1 接種時の年齢制限について

シナジスには適応ごとの年齢(月齢)制限があります。シーズン最初の接種の時点で、お子さんの年齢(月齢)が規定以下である必要があり注意が必要です。以下に例を示します。
例えばダウン症候群を有するお子さんの場合、シナジス初回接種時に24か月齢以下である必要があります。つまり、2歳0か月29日(ぎりぎり24か月齢)までは受けられますが、2歳1か月0日(=25か月齢)を過ぎると受けられません。
したがって、初回接種が2024年5月8日(水)の場合は出生日が2022年4月9日以降のお子さんが対象となります。(2022年4月8日以前出生の方は25か月齢に達しており、適応外となります)。
分かりにくいですので、以下に疾患・適応ごとの表を示します。必ずご確認ください。

お子さんの適応 在胎29週0日~
35週6日で出生した児
在胎28週6日以下で出生した児 慢性肺疾患、先天性心疾患、ダウン症候群、免疫不全症、
肺低形成、気道狭窄症、食道閉鎖症、先天代謝異常症、神経筋疾患を有する児*
適応となる月齢 6か月齢以下 12か月齢以下 24か月齢以下
シナジス初回接種日(年/月/日) 対象となる出生日(年/月/日)
2024/5/8(水) 2023/10/9以降 2023/4/9以降 2022/4/9以降
2024/5/15(水) 2023/10/16以降 2023/4/16以降 2022/4/16以降
2024/5/22(水) 2023/10/23以降 2023/4/23以降 2022/4/23以降
2024/5/29(水) 2023/10/30以降 2023/4/30以降 2022/4/30以降
以下同様

*太字は今回新たに適応が追加された疾患。

2 予約について

当院でのシナジス接種を希望される場合は、
病院総合受付か予約専用電話(0263-73-5300)または
予防接種センター(窓口または直通電話0263-73-6556:電話は月と金の10時~13時のみ)にて
ご予約ください。
なお、シナジス外来は今年から水曜午後に実施します。またシナジスは他の予防接種と同時に受けられます。その際は予防接種センターでの予約をお願いします。

3 シナジス以外のRSウイルス感染症予防薬について

最近、国内で新たに承認されたRSウイルス予防薬が2つあり、どちらも今後広く用いられることが期待されます。

ベイフォータス(一般名ニルセビマブ)

ひとつめはベイフォータス(一般名ニルセビマブ)という薬で、シナジスと同様モノクローナル抗体薬です。1回の注射で約5か月間という長期間にわたって効果が持続する点が最大の特徴です。したがって通常は1シーズンに1回の接種で済みます。
2024年4月現在、健康保険が適応されるのはリスクの高いお子さんだけとなっています。当院では今季はベイフォータスを採用しませんが、他の施設では広く使用されると思われます。
ベイフォータスとシナジスの効果はほぼ同等と考えられ、どちらもリスクの高いお子さんにはお勧めできますが、シーズン中一人の患者さんに両方を用いることは健康保険上できないと考えられます。ご注意ください。 なおベイフォータスには、シナジスの適応拡大は該当しません。適応となるのは早産児、先天性心疾患や免疫不全症、ダウン症候群を有するお子さんのみとなっています。

RSウイルスワクチン(商品名アブリスボ)

ふたつめは妊婦さん用のRSウイルスワクチン(商品名アブリスボ)です。こちらについても運用が決まり次第、追ってお知らせいたします。

RSウイルス感染症予防薬(シナジス®)の適応拡大についてのお知らせ

先天代謝異常、神経筋疾患、気管軟化症、食道閉鎖症などを有する2歳未満のお子さんの保護者の方へ

2024年4月
長野県立こども病院 予防接種センター

RSウイルス感染症は乳幼児を中心に毎年流行する病気です。
2歳になるまでにほぼすべてのお子さんが一度はかかり、特に乳児期早期の小さなお子さんたちにとっては厄介な感染症です。多くの場合は鼻水、咳、熱といった風邪の症状が数日続くくらいですが、一部のお子さんでは重くなり気管支炎、細気管支炎、肺炎などをきたして入院が必要になることも少なくありません。国内では2歳以下の小児で入院になるのは毎年約3万人とされています。

従来、RSウイルスに対する予防薬としてパリビズマブ(商品名シナジス)がありましたが、適応は早産、先天性心疾患、ダウン症候群および免疫不全を有するお子さんに限定されていました。しかしこの度、シナジスの適応が以下に該当するお子さんにも拡大されました。

シナジスの適応拡大範囲

RSウイルス感染症流行初期の時点で、24か月齢(満2歳)以下のお子さんで

  • 肺低形成を有する児(先天性横隔膜ヘルニア、など)
  • 気道狭窄を有する児(気管軟化症、喉頭狭窄症など)
  • 先天性食道閉鎖症を有する児
  • 先天代謝異常症を有する児
  • 神経筋疾患を有する児(筋ジストロフィーなど)

(詳細については下記をご参照ください。)

一般社団法人 日本小児感染症学会
本邦における肺低形成、気道狭窄、先天性食道閉鎖症、先天代謝異常症および神経筋疾患に対するパリビズマブ使用の手引き(PDF)

長野県立こども病院では今季より、上記の患者さんにもシナジス接種をお勧めします。
シナジスは、RSウイルス流行期間中に毎月1回、筋肉注射(通常大腿部)で投与します。
長野県では通常1シーズン中6回まで受けられます。地域の医療機関でも接種できます。
新型コロナウイルスの流行の影響もあり、近年RSウイルス感染症の流行時期は変動しています。昨年(2023年)は春ごろから患者さんが見られたため、長野県では6月からシナジスの接種を開始しています。今季の開始時期が決まり次第、また改めてホームページ、郵送にてお知らせいたします。

ご不明な点がありましたら担当医もしくは予防接種センターまでお尋ねください。

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