DPC(急性期医療にかかる診断群分類別包括評価)とは
従来の個々の診療行為を積み上げて求めた医療費とは異なり、あらかじめ厚生労働省で決められた病名や治療内容に応じた1日あたりの包括診療費を用いて、入院期間に応じた医療費を包括的に計算する方法です。
ただし、手術・麻酔料など出来高で計算するものもあります。
DPC対象患者さんについて
すべての入院患者さんが対象となります。
ただし、次の場合は今までどおりの『出来高方式』で入院費の計算を行います。
- 入院後24時間以内に死亡した患者さん
- 生後7日以内に死亡した新生児の患者さん
- 労務・公務災害、交通事故(自賠責)等の自由診療の患者さん
- 臓器移植を受ける患者さん(造血幹細胞移植等)
- 治験、先進医療等を受ける患者さん
- 病名と治療内容の組み合わせによりDPC対象外となる患者さん
- 入院期間が一定の期間を超えた患者さん(一定期間を超えた日から出来高方式になります。 病名によって期間は異なります。)
- 厚生労働省が定める手術・処置等をされる患者さん(血漿交換療法(川崎病に限る)等)
DPCでの計算方法について
これまでの計算方法は、投薬・注射・処置・検査・レントゲン等の全ての診療行為を積み上げて計算する、いわゆる「出来高払い方式」によるものでした。
DPCでは、病気の内容・手術(処置)の内容及び合併する病気の有無等によって、厚生労働省で決められた診断群分類ごとの1日あたり包括診療費により計算をします。
したがって、病状により、包括評価部分の投薬や注射、検査等を多く行う必要があった場合でも、1日あたりの包括診療費は変わりません。
包括で評価される内容と出来高で評価される内容
包括される内容
- 入院診療料
- 検査料(心臓カテーテル検査・内視鏡検査・病理診断・病理学的判断料等を除く)
- 画像診断料(画像診断管理加算・選択的動脈造影カテーテル手技を除く)
- 投薬・注射料
- 処置料(1,000点以上の処置等を除く)
これらについては、次の計算式により全てが包括的に評価されます。
診断群分類ごとの1日あたり包括診療費×入院日数×医療機関係数
当院の医療機関係数…1.3800 (2019年10月現在)
出来高で計算される内容
- 手術・麻酔料
- 1,000点以上の処置料
- 医学管理料
- リハビリテーション料・放射線治療料
- 心臓カテーテル検査料・内視鏡検査料等
これらについては、従来どおりの個々の診療行為を積み上げて、出来高で評価されます。
従来の計算方式とDPC計算方式の比較
従来の計算方式
DPC計算方式
- 入院診療科
- 検査
- 画像診断
- 投薬・注射
- 処置
- 1日当たりの定額点数×入院日数
- 手術・リハビリ
- 手術・リハビリその他一部の検査・処置料
(1,000点以上)及び退院時処方など
- 食事
- 食事
詳細は、医療情報管理課 医事係へお問い合わせください。