近年、アトピー性皮膚炎や気管支喘息、食物アレルギーなどのアレルギーを持っている方が多くなっています。
食物アレルギーは、反応が起きると皮膚の発赤やじんま疹に伴う痒み、咳やゼイゼイするなどの呼吸器症状、腹痛・嘔吐・下痢などの消化器症状、さらにぐったりする、血圧が低下するなど場合によっては命に関わる症状が出現することがあります。
食物アレルギーは正しい診断が重要です。血液検査や皮膚テストなどのアレルギー検査で数値が出た、陽性だった、という理由だけで必要のない除去をずっとされている方を多く見受けます。
しかし“検査が陽性=食物アレルギー”ではありません。
正しく判断するには、実際にそのものを食べて症状が出てしまうのか、そうでないのかを知ることが必要です。ですが症状が出る可能性がある方に「お家で食べてね」というのは危険を伴います。正しい診断には専門の施設で行う食べる試験、つまり「食物経口負荷試験」が必要になります。
試験が陽性だった、という理由だけで「私はアレルギーだ、食べられない」と判断するのではなく、専門の施設で本当に食べられないのかどうか、正しい判断をしてもらいましょう。
2014年05月19日
総合小児科 小池 由美