食物アレルギーの患者さんの多くは、0～1歳の赤ちゃんです。年齢が上がるほど少なくなるのは、成長とともにアレルギーを起こしていた食物を食べても症状が出なくなる（＝寛解する、つまりアレルギーが治る）からです。

小さいお子さんでアレルギーを起こす頻度の多い食材は、卵、牛乳、小麦です。例えば小さい頃に卵アレルギーと診断された方でも、3歳までに5～6割、6歳までに7～8割が自然に治るといわれています。小さいころに「アレルギーだから除去しましょう」と言われた食材をずっと除去し続けるのは、すでに食べられるのに除去を続けている可能性があります。定期的に血液検査や負荷試験を受けて食べられるものを増やすことで栄養面での改善をはかり、ご家族の負担を減らすことができます。

ただ食物アレルギーの種類によっては、年数が経っても治るのが難しいものもあります。例えば、「口腔アレルギー症候群」や「運動誘発アナフィラキシー」と呼ばれる種類のものです。これらのアレルギーは先ほどお話した幼児期に発症するアレルギーと違って学童期以降に発症することが多いアレルギーです。これらについては次回お話しします。

2014年06月24日
総合小児科　小池　由美