小さい頃に発症する食物アレルギーのほとんどは「即時型症状」といって、原因の食物を摂取した後に皮膚の発赤やじんま疹に伴う痒み、咳やゼイゼイするなどの呼吸器症状、腹痛・嘔吐・下痢などの消化器症状などをおこします。さらにぐったりする、血圧が低下するなどの強い症状も起こし得るアレルギーです。小さい子だけでなく大人でも発症することがあります。前回お話したように、幼少期発症の即時型症状は、自然に良くなることが多いです。
その他の特殊なアレルギーとして、「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」があります。これはある特定の食物を食べた後に運動をすることで、強いアレルギー症状が誘発されます。” 特定の食物を食べた”だけ、または” 運動した”だけでは症状は出現しません。中学・高校生で発症することが多く、原因の食物は小麦と甲殻類が大部分を占めます。原因となる食物を特定し、原因食物を摂取したら2~4時間以内は運動しないことを徹底することが重要です。
「口腔アレルギー症候群」は、果物や生の野菜を食べた後に口腔内の痒みや違和感が出現します。花粉症を発症した後から症状が出るようになることが多く、症状は、唇、舌、口の中、のどなどに痒み、痛み、むくみなどが起こります。症状の程度によりますが、症状が強い場合は原因の食物を除去することで対応します。
このような症状が疑われた際には専門医に相談をし、正しい診断と適切な対応をしてもらいましょう。
2014年07月24日
総合小児科 小池 由美