赤い屋根通信

第11回 水痘ワクチン定期化 10月から

水痘ワクチンが10月に定期接種になりました!ついに、というかやっと、というべきか、いずれにしても待望の定期化です。

接種回数は2回です。ルールでは、これから1歳になる方は12~15カ月の間に1回接種し、1回目から3カ月以上あけて2歳までの間に接種します。これが標準接種になります。

では今2歳でまだ1回も打っていない子は?
その場合は3歳までに、間隔を3カ月以上あけて2回接種します。3歳までの方はこのスケジュールが適応されます。

では、今3歳以上は?
3、4歳児は、特例措置として今年度中(平成27年3月31日まで)に1回、定期接種として接種可能です。
ちょっとややこしいです。
詳しくは、市町村の担当者さんか、かかりつけの先生にお尋ねください。(※)

とにかく、3、4歳の方の定期接種での接種チャンスは来年の3月31日までですよ。全て2回接種にするべき、というのが私の立場です。
1回のワクチン接種でも、水痘罹患を85%防ぎ、重症化を97~100%防ぎますが、1回接種だけでは、水痘ウイルスの伝播を完全に集団で遮断するほどの十分な集団免疫効果をもたらさない(IASR Vol・34、p295-6)とされるからです。ワクチンを打てない乳児、白血病などの病気があるこどもを守るためには、全ての罹っていないこども(大人も)は2回接種が必須です。
 
信州大学医学部附属病院感染制御部の金井信一郎先生がおっしゃるように、ワクチンは「思いやり」です。また、情けは人のためならず、です。水痘ワクチンは年齢に関わらず是非2回接種しましょう。いずれ大学入試で「2回接種していないと入学できない」といわれる時代がきます。「2回打って良かった」と、きっと思えます。

2014年11月12日
小児集中治療科副部長 笠井 正志

※この記事は過去に市民タイムスで紹介されたものです。特別に許可を得て掲載しています。(一部改編)

※当院かかりつけのお子さんは主治医ではなく予防接種センターへご相談ください。

長野県立こども病院では、当院かかりつけのお子さんと他の医療機関から紹介されたお子さんを対象に電話相談および相談外来を行っております。
詳しくは、予防接種センターのページをご覧ください。

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