1.妊婦さんへのRSウイルスワクチン接種について
令和8年度から、妊娠28週から36週の妊婦の方は、RSウイルスワクチン(アブリスボ®、ファイザー社)の定期接種の対象となります。対象の方には、お住まいの自治体から接種券が配布されます。
当院での接種を希望される場合は、産科医師(かかりつけ医)とご相談の上、予防接種センターにご予約ください。予約方法は下記「Q&A9」をご参照ください。
2.RSウイルスワクチンに関するQ&A
- RSウイルスとは何ですか?
RSウイルスは、乳幼児の肺炎や気管支炎、急性脳症の原因となるウイルスです。将来的に気管支ぜんそくにつながることもあります。
1歳までに約50%、2歳までにほぼ100%が感染するとされており、症状は咳や鼻水などの軽症から肺炎などの重症まで様々です。特に生後6か月未満で感染すると重症化しやすいことが分かっています。 - ワクチン接種とは何ですか?
細菌やウイルスなどの病原体に感染すると、免疫細胞がそれを認識し、対応する抗体を作ります。抗体は病原体と結合して排除します。
初めて感染した場合は抗体がないため症状が出やすくなりますが、一度抗体が作られると、同じ病原体に再び感染しても速やかに排除され、無症状または軽症で済むようになります。
ワクチン接種は、病原性を弱めたもの(生ワクチン)や病原体の一部を用いたもの(不活化ワクチン)を体内に入れることで、免疫にその特徴を覚えさせ、抗体を作らせる医療行為です。これにより重症化の予防が期待されます。
なお、妊婦の方に接種可能なワクチンは不活化ワクチンのみであり、RSウイルスワクチンはこれに該当します。 - 生まれた赤ちゃんにRSウイルスのワクチン接種は行われていますか?
行われていません。
早産児、ダウン症、先天性心疾患など、RSウイルス感染で重症化しやすい場合には、人工的に作られた抗体を注射することがありますが、これはワクチン接種とは異なるものです。また、すべての赤ちゃんが対象となるものではありません。 - 妊娠中にワクチン接種をするメリットは何ですか?
妊婦の方にワクチンを接種すると、体内で作られた抗体が胎盤を通じて赤ちゃんに移行します。
この抗体は出生後も約3~6か月持続し、赤ちゃんは生後早期の感染から守られます。
RSウイルスワクチンに限らず、インフルエンザや新型コロナウイルスワクチンでも同様の効果が期待されます。なお、RSウイルスに対する抗体は生後約6か月有効とされています。 - なぜ妊娠28週から36週に接種するのですか?
生後6か月未満の赤ちゃんはRSウイルス感染で重症化しやすく、この期間を守ることが重要です。
一方で、十分な抗体が赤ちゃんに移行するまでには少なくとも約2週間かかります。
妊娠37週以降では、抗体が十分に移行する前に出産となる可能性があるため、抗体移行の時間を確保できる妊娠28週から36週での接種が推奨されています。 - 早産となった場合でも効果はありますか?
早産の週数や流行状況によっては、出生後に抗体の注射が必要となる場合があります。
また、接種後14日以内に出生した場合は抗体移行が不十分と考えられるため、必要に応じて出生後に対応します。 - 副反応や安全性はどうですか?
主な副反応として、注射部位の痛み(40.6%)、頭痛(31.0%)、筋肉痛(26.5%)、発赤(10%未満)が報告されています。
現時点で胎児への有害な影響は報告されていませんが、日本での接種開始は2024年5月であり、データは現在も蓄積中です。 - 費用はいくらですか?
定期接種対象者(接種時点で妊娠28週0日から36週6日までの方)は無料です。 - 実際に接種するにはどうしたらよいですか?
ワクチン接種は完全予約制です。(1)当院で妊婦健診を受けている方または入院中の方
接種希望日の1週間前までにご予約ください。
①電話予約:月曜日・金曜日 10時~13時(0263-73-6556)
②窓口予約:月曜日~金曜日 8時30分~17時(2)ワクチン接種のみ希望の方(他院で妊婦健診を受けている方)
かかりつけ医の紹介状(診療情報提供書)をご準備の上、電話でご予約ください。■かかりつけ医の先生方へ
紹介状は簡潔なもので構いません。基礎疾患、接種可否、注意点(あれば)をご記載ください。
接種直後の副反応(アナフィラキシー、血管迷走神経反射等)は当院で対応しますが、帰宅後の対応はかかりつけ医にてお願いいたします。