1.RSウイルス感染症予防薬について
現在、日本で使用できるRSウイルス感染症の予防薬には以下の3種類があり、いずれも当院で接種を行っています。
- シナジス(一般名パリビズマブ)
20年以上前から使用されているモノクローナル抗体薬です。流行期に毎月1回注射することで、お子さんの体内の抗体が高く維持され、RSウイルスの感染を予防し、重症化を防ぎます。RSウイルス感染が重症化しやすいハイリスクなお子さんを対象とした予防薬です。
シナジスの適応には、早産児、先天性心疾患、慢性肺疾患、免疫不全症、ダウン症候群に加え、肺低形成、気道狭窄、食道閉鎖症、代謝異常症、神経筋疾患の患者さんが含まれます。
・今季の投与開始時期は、県内および全国の流行状況を踏まえて決定し、決まり次第ホームページでお知らせします。
・流行シーズン中は、原則として毎月1回、6か月間(計6回)投与します。
・投与開始後も、流行状況により中断または再開する場合があります。
・同一シーズン中にシナジスとベイフォータスを併用することはできません。 - ベイフォータス(一般名ニルセビマブ)
シナジスと同様のモノクローナル抗体薬ですが、1回の注射で約5か月間効果が持続する点が特徴です。そのため、通常は1シーズンに1回の接種で済みます。シナジスと同様、ハイリスクなお子さんを対象とした予防薬です。
ベイフォータスとシナジスの予防効果はほぼ同等と考えられますが、ベイフォータスの適応は、早産児、先天性心疾患、慢性肺疾患、免疫不全症およびダウン症候群を有するお子さんに限られます。
・流行状況に関わらず、通年で接種します。
・初回投与は、生後できるだけ早期に行います。
・2回目投与は、生後12か月齢に達し、かつ前回接種から6か月以上経過後に行います。
・投与は1回または2回で終了します。
(人工心肺バイパスを用いた心臓手術後の患者さんでは、例外的に追加投与を行う場合があります。) - RSウイルス母子免疫ワクチン(商品名アブリスボ)
妊婦さんに接種することで、生まれてくるお子さんのRSウイルス感染を予防できるワクチンです。近年日本でも使用可能となりました。
本ワクチンは2026年4月より定期接種に組み込まれ、妊娠28週から36週の妊婦さんは自己負担なく接種できます。乳児期早期の重症RSウイルス感染症を約7~8割予防できるとされており、ハイリスク児に限らず、すべてのお子さんに効果が期待されます。接種対象の方は、お住まいの市町村からの案内をご確認ください。
2.シナジス、ベイフォータスの使用について
当院では、お子さんの疾患および月齢に応じて、シナジスとベイフォータスを使い分けています。なお、同一シーズン中に両剤を併用することはできません。
3.予約について
モノクローナル抗体薬および母子免疫ワクチンの接種日は水曜午後です。
当院での接種を希望される場合は、予防接種センター(窓口または直通電話0263-73-6556)にてご予約ください。直通電話の受付は月曜日および金曜日の10時から13時までです。
予約は接種希望日の1週間前までにお願いします。
また、シナジスおよびベイフォータスは、他の定期予防接種と同時に接種することが可能です。