赤い屋根通信

第17回 こどもに見られる耳・鼻の病気について~急性中耳炎~

「夜中に急に耳が痛い!と子どもが泣いている」
「朝、起きたら耳から膿がでている」
こんな経験は、ありませんか?

お子さんにかかりやすい耳の病気といえば、中耳炎ですね。
急性中耳炎とは、急性に発症した中耳の感染症であり、耳痛・発熱などの症状と鼓膜の発赤・膨隆・耳漏(じろう)などの鼓膜所見を伴う病気です。好発年齢は、子どもが大半で、特に3歳未満の乳幼児が多いです。風邪などの上気道感染症に続いて罹患することが多く、秋から冬の今の時期が特に多いです。

中耳炎になる原因は、細菌が鼻咽腔に感染し、そこから耳と鼻をつなぐ耳管(じかん)を通って中耳内に感染することによって起こります。原因となるのは、肺炎球菌やインフルエンザ菌という細菌です。

ではなぜ子どもに中耳炎が多いかというと、先ほども説明した鼻腔と中耳をつないでいる耳管が成人にくらべて太く、角度が水平なために菌が中耳へ移動しやすいこと、また免疫機能が未熟で感染症をおこしやすいことが挙げられます。

治療方法は、全身症状と鼓膜診察の程度によって判断します。中耳炎はほとんどの場合が細菌感染によるため、抗生物質投与が必要になります。使用する薬剤の種類、投与量、投与期間は症状の程度により多少変化します。

急性中耳炎について、簡単に説明しましたがいかがだったでしょうか。1回の治療で治癒し、再発しなければあまり問題はないのですが、実際には中耳炎がなかなか治らない、繰り返す、耳は良くなっても鼻の症状が続くなど、これでいいのかしらと不安に感じているご家族の方も多いのではないでしょうか。

この機会に、子どもになりやすい耳・鼻の病気について一緒に考えてみませんか?日ごろ気になっている疑問を解決するお手伝いができればと思います。

2015年12月24日
耳鼻いんこう科 医師 佐藤 梨里子

2016年3月5日(土)公開講座「こどもの耳・鼻の病気とことばの発達」を開催致します。当院の言語聴覚士と耳鼻いんこう科医師による講義の後、質疑応答の時間もございます。
入場無料・申込不要ですので、是非ご参加ください。(講座は終了しました)

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