これらの質問への母親の答えはさまざまである。

近年、母性育成に代わって、女性のライフサイクルを通じた精神保健という視点がとられるようになった。出産後のメンタルヘルス問題だけでなく、不妊治療の心理的負担や胎児診断による意思決定過程でのストレスも現代的な課題である。

産後うつ病を特別な病気としてみるよりも、どの母親にも普遍的にある悩みとしてとらえながら、重症化した時には専門的な援助（薬物療法を含めて）を求めることが重要です。また、家族を含めた社会的な支援のネットワークも大きな支えになります。

2019年6月26日
こころの診療科　部長　樋掛　忠彦