こども病院について

病院長あいさつ

平成30年 年度初めのご挨拶

原田順和 長野県立こども病院 病院長 原田順和

皆様、あけましておめでとうございます。
平成30年の年頭にあたり、ご挨拶申し上げます。

長野県立こども病院では、平成5年の開設以来、“未来を担うこども達のために、質が高く、安全な医療を行います”という病院理念の下に、25年間活動を積み重ねてまいりました。昨年は、7月に念願の小児集中治療室の増床工事が完成し、9月からは12床での運用が開始されました。ようやくその運用が軌道に乗ってきたばかりではありますが、従来課題となってきた重症病棟の満床が無いため、予定手術の延期や、小児重症患者の受け入れ困難が回避され、大いにその増床効果が発揮されています。

また、多くの皆様方に、こども病院を支えていただきたいという願いから開始した寄付プログラムも次々とその成果を挙げています。昨年3月には緩和ケアを必要とする患者さんとその家族の皆様の療育環境の向上を目指し、寄付で頂いた資金を利用し、第一病棟にファミリールームを完成させ、4月から運用を始めています。
また、40万キロを走破したドクターカーの更新事業では、インターネットを利用したクラウドファンディングと、長野県みらい基金による寄付金をいただき、その費用の全額をカバーすることができました。いよいよ3月には新しいドクターカーがお目見えする予定です。


長野県立こども病院開設後のこの25年間の歳月の流れのなかで、社会の状況は大変な変化を遂げています。われわれ小児病院のもっとも関係するところでは、進行する少子化という社会現象を挙げることができます。平成元年に1.57ショックと呼ばれる合計特殊出生率の低下が現実のものとなり、それ以来、少子化については各方面から警鐘が鳴らされていました。本来こども病院がその治療の対象とする15歳未満の年少人口は、こども病院が開院した平成5年では37万人でしたが、直近の平成28年では26万人にまで減少しています。また、出生数も2.2万人から1.5万人へと大幅に減少しています。そのような状況の中、平成5年に建てられ、その後平成12年に増築された施設は、だいぶ過大な施設になって来ていると言えます。その意味でも、医療機能を保ちながら、病床数を中心にどのように縮小していくかを適切に判断することが、喫緊の課題です。

医療全般でもいえることですが、急性期医療で治す医療については、かなりのレベルまで到達し、これからは、このような患者さんにこのような治療が果たして適応になるかということも含めて考えていかないと、健康保険制度を含め、立ち行かなくなるような時代だと思います。治す医療よりも、支える医療を目指して、考え方を転換すべき時点に差し掛かっていることと考えています。

これからますます進行すると考えられる少子化の波にのまれることなく、小児周産期医療の最後の砦として、活動を継続できるよう、皆様方からご支援をいただければ幸いです。 最後になりますが、平成30年が皆様方にとって良い年になることを祈念申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。

平成30年1月1日
長野県立こども病院 病院長 原田順和

院長略歴

1978年 千葉大学医学部卒業
1978年 4月 東京女子医科大学日本心臓血圧研究所外科
1984年 4月 東京女子医科大学循環器小児外科助手
1989年 1月 Fellow in Cardiac Surgery, Royal Children’s Hospital,Australia
1990年 4月 千葉市立海浜病院 心臓血管外科主任医長
1991年 9月 国立療養所東長野病院 心臓血管外科医長
1993年 4月 長野県立こども病院 心臓血管外科部長
2010年 4月 長野県立こども病院 副院長
2011年 4月 長野県立こども病院 病院長
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