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OTC欠損症に関する研究についてのご案内

長野県立こども病院は、新生児マススクリーニング検査「タンデムマス・スクリーニングの対象疾患にOTC欠損症を追加するための研究」を島根大学小児科と協力して行っています。

OTC欠損症に関する研究についてのご案内

OTC欠損症とは?

OTC欠損症は尿素サイクル異常症という病気のグループのひとつです。
からだの中でできる有毒なアンモニアを無毒な尿素に変える仕組みを「尿素サイクル」と呼びます。尿素サイクル異常症とは、生まれつき尿素サイクルのどこかにトラブルがある病気です。有毒なアンモニアがたまるので、嘔吐、哺乳力低下、多呼吸、けいれん、意識障害、発達障害、時には命にかかわるような場合もあります。

検査の方法は?

通常の新生児マススクリーニングと同様に、血液をしみこませたろ紙を使います。現在行っているタンデムマス検査に試薬を付け加えて行います。そのため余分に採血する必要はなく、赤ちゃんへの負担が増えることはありません。

費用はかかるの?

この検査は島根大学小児科の支援を受けて行われるため無料です。費用が追加されることはありません。

もし病気が見つかった場合はどうするの?

検査を行って病気の可能性がある場合には、ほかの病気と同じようにできるだけ早く的確な診療が受けられるように長野県立こども病院がサポートします。

どうして「研究」なの?

新生児マススクリーニングにおいてOTC欠損症を検査することはまだ例が少なく、患者さんがどのくらいの頻度で見つかるかなど、はっきり分かっていない部分もあります。この検査は、こうした分からない部分を明らかにして、全国にこの検査を拡大するべきかを確かめるという研究的な側面もあるためです。

留意事項

  • この研究は長野県立こども病院の倫理委員会の承認を得て行っています。
  • 研究の成果等は医学の発展のために学会等で公表されることがありますが、この際には氏名や住所など個人の特定につながるような診療情報は一斉削られ、個人が特定されることはありません。
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