診療科・部門

小児がんセンター

国の小児がん拠点病院・連携病院事業により長野県の小児がん連携病院として長野県立こども病院と信州大学附属病院が指定されました。
高度化している小児がん治療を患者さんへ安全かつ効率的に提供できるよう、2022年4月に小児がんセンターを開設しました。当センターの特色は、小児がん・血液がんに対して診療部、薬剤部、医療技術部、看護部、事務部など関連する部門が一体となり連携して最善の医療が提供できる体制を整えました。
また、妊孕性温存療法、陽子線治療、ガンマナイフ治療、細胞治療など、最適な治療が提供できるように他施設との連携も整備しています。さらに小児腫瘍疾患の治療に関する多施設共同特定臨床研究、治験への参加及び観察研究などの臨床研究にも積極的に参加していきます。

小児がん治療の提供

当院の特色は小児がん・血液がんに対して診療部(脳神経外科、小児外科、形成外科、整形外科、泌尿器科、耳鼻咽喉科、放射線科、リハビリテーション科、麻酔科、眼科、血液腫瘍科など)、薬剤部、医療技術部(リハビリテーション技術科、こころの支援科、臨床検査科など)、看護部が一体となり診療を行なっています。

参加臨床試験(PDF)

小児がん相談支援

小児がん相談員が対応します。がんと診断された患者さんとご家族、がんの治療を終了した患者さんの不安や悩みなどの相談を受け付けます。過去の治療に関すること、就学、進学、就労等の相談、結婚、妊孕性についてなど、お気軽にご相談ください。
相談の内容によっては、小児がん相談員から改めて連絡させていただく場合もありますのでご了承ください。

相談窓口

相談窓口先 長野県立こども病院 小児がん相談窓口(療育支援部内)
メールアドレス kodomo-shonigan(at)pref-nagano-hosp.jp
(at)部分を@に変更してください。

メールの返信は、1週間以内に小児がん相談員が返答するようにします。休日をはさむ場合は、返信までに1週間以上かかる場合もあります。

こころとからだをサポートする医療の提供

小児がんと診断された時から患者さん及びご家族の皆さんが受けることができる治療・ケアです。療養中は痛み、吐き気、食欲低下、だるさなど体の不調や辛さ、学校や進学など心配事などほとんどの患者さんが経験します。
治療・ケアを提供するのは入院している診療科の担当医だけでなく、多職種(緩和ケア専門医師、精神科医師、薬剤師、緩和ケア認定看護師、臨床心理士、管理栄養士など)で構成された”こころとからだのサポートチーム“(通称:ここからチーム)が患者さん及びご家族のサポートを行います。
また入院中の身体機能低下を予防するためにリハビリテーションの介入を積極的に進め、退院後の学校等への復帰がスムーズになるよう支援しています。

長期フォローアップ医療の提供

小児がんの治療成績の向上は著しく、小児がん経験者が成長し成人する時代になりました。一方で治療経験後に起こりうる症状や状態は、治療の内容、時間の経過や患者さんによって異なります。すべての治療経験者は、長期に渡ってしっかりと定期的に健康管理を受けることが大切です。
当院では成人移行期支援を視野に、小児がん経験者が自分の病気と治療内容、今後起こりうる晩期合併症について正しく理解していただいたうえで、どんなことに気を付けていったらいいのか、これからのフォローについて一緒に考えてけるように、2018年2月から長期フォローアップ外来を開設しています。
小児がん経験者の健康管理や晩期合併症の予防・早期発見、早期治療に努めています。

地域連携

当院は下記の治療について連携し実施しています。

  • 妊孕性温存療法 諏訪マタニティークリニック
  • 陽子線治療 相澤病院陽子線治療センター
  • 細胞治療(非血縁造血幹細胞移植) 信州大学医学部附属病院小児科
  • 小児高次脳機能障害に係る移行期医療連携 長野県立総合リハビリテーションセンター

セカンドオピニオンについて

現在診療を担当している医師の見解とは別に、他の医師等の意見を聞くことをセカンドオピニオンと言います。患者さんが納得して治療方針を決定し、あるいは治療を継続し、ともに診療を進めて行くことが重要と考えています。
主治医以外の他院の医師の意見を聞きたいと思う方は遠慮なく主治医あるいは相談窓口にご相談ください。必要な資料や検査結果を用意し、セカンドオピニオンを受けたいと思う病院の医師と日程の調整等準備を行います。

セカンドオピニオンの受け入れについて

当院では下記の腫瘍についてセカンドオピニオンに対応可能です。ただし、治療を担当している主治医が了解し、診療情報提供書をお持ちの場合に受け入れが可能です。

がん種 対応診療科
神経芽腫、肝芽腫、腎芽腫などの固形腫瘍 小児外科、血液腫瘍科
脳腫瘍 脳神経外科
急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病などの血液腫瘍 血液腫瘍科
横紋筋肉腫などの骨・軟骨腫瘍 血液腫瘍科

こころとからだのサポートチームの紹介

令和4年度から緩和ケアチーム改め、こころとからだのサポートチーム、通称「ここからチーム」として活動しています。皆さんのイメージの中では、緩和ケアは病気が治らなくなってからのケアとお考えではないですか?近年、緩和ケアは、診断されたときから病気や治療などのために生じる体や心(学校のこと、経済的なこと、家族やきょうだいのことも!)のつらさを和らげるためのケアと考えられ、実践されるようになりました。
例えば、体の痛みは、我慢しているとどんどん強く感じるようになってしまうため、早い段階での対応が大切といわれています。それは心の痛みも、ご家族のつらさも同じではないかと思います。これまでの患者さん、ご家族の気持ちや経験を大切にしながら“今ここ”にある皆さんをサポートしていきます。
ここからチームは、体のつらさを診る医師、心のつらさを診る医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、公認心理師、チャイルドライフスペシャリストがチームになって、主治医をはじめとした病棟・外来スタッフはもちろん、病院の様々なスタッフと協力して患者さんやご家族をサポートします。第1、3火曜日には病棟回診を行っています。ときにはお困りのことを適切なスタッフにつなぐお手伝いをすることもあります。
痛みが気になる、相談してみたいことがあるなど、まずは主治医や病棟・外来のスタッフにお声をかけてください。

管理栄養士の紹介

児がんの治療は長期にわたり、治療中は倦怠感・吐き気・口内炎などの粘膜障害・食べ物が苦く感じるなどの味覚障害等が生じ、食べることが難しくなる場合が多いです。一方、投薬の影響で食欲が亢進し常におなかがすいてしまうという場合もあります。
栄養はとても大切で、食べることは多くの方にとって楽しみでもあります。だからこそ、それが思うように出来ないことに悩まれる患者さん・ご家族もいます。
管理栄養士は患者さんやご家族から直接お話を伺い、食べられない理由や現状、普段の食事状況や好きな物などを確認し、食事の対応を行っています。口内炎で食事が進まない時は主食を麺に変更したり、においが気になって気持ち悪くなるという場合は食事を冷たくして配膳したりと、患者さんの状況に合わせて提案しながら一緒に食事の内容を調整しています。それでもどうしても食べられない場合もあるため、栄養剤や点滴を併用するなど、医師・看護師・薬剤師など多職種と連携をとりながら栄養面のサポートをおこなっています。

センター長の紹介

小児がんセンター長兼血液腫瘍科部長坂下 一夫さかした かずお

血液・腫瘍疾患の子ども全員が元気になれるように頑張ります。

主な経歴
長野県上田市出身。1992年滋賀医科大学医学部卒業。医学博士。信州大学医学部附属病院小児科、島田市民病院小児科、静岡県立こども病院血液腫瘍科で研修
1997年 信州大学大学院医学研究科入学
2001年 単位取得退学
2001年 信州大学医学部附属病院小児科勤務、助教、講師を経る。
2014年4月 現職
所属学会・その他
医学博士、信州大学医学部臨床教授
日本小児科学会(専門医)、日本血液学会(専門医、指導医)、日本小児血液・がん学会(専門医、指導医)、日本造血細胞移植学会(認定医)、日本がん治療認定医機構(認定医、暫定教育医)、日本小児白血病リンパ腫研究グループ(JMML委員会委員長)
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