感染症とはウイルス、細菌、カビ、寄生虫などの微生物によって起こされる病気で、人から人にうつることもあります。感染症科はそのような病気に対応しています。
当科は具体的には3つの業務を柱としています。
主な業務
感染症を来たした患者さんの診療(コンサルテーション)
「感染症コンサルテーション」として院内の全科・部署からの相談を受け、診療に協力しています。例えば手術のために入院された患者さんが入院中に発熱し、感染症の治療が必要になってしまった場合、患者さんの主治医から感染症科が相談を受け、診断や治療、予防のアドバイスを行います。必要時には主治医として診療やフォローも行います。
このような相談を年間300件ほど受けています。
また、他の医療機関からも感染症に関するご相談や患者さんのご紹介をお受けしています。
注:ふだん健康な子どもさんの一般的な感染症(かぜ、インフルエンザ、水ぼうそうなど)については当科では直接対応はしておりません。まずは地域の医療機関でご相談ください。
院内感染の予防、管理
感染制御専門医(インフェクション・コントロール・ドクター)として、院内における感染対策に従事しています。
たとえば、院内でインフルエンザや胃腸炎が流行した場合、感染制御チーム(ICT)の一員として院内感染のコントロール・制圧に携わります。感染制御チームは医師、感染制御認定看護師、臨床検査技師、薬剤師からなるグループで、院内感染を未然に防ぐため日ごろから活動しています。
感染症についての正しい知識の普及、啓発
感染症についての正しい知識の普及と情報発信も行っています。
その時々に流行している感染症(麻疹や風疹など)や、抗菌薬の適正使用・薬剤耐性菌の問題などについて、医療従事者のみでなく一般の方向けにも情報発信をしています。地域の市民講座や医療機関でお話させて頂いたり、新聞やTVなどのメディアで取り上げて頂くこともあります。
医師の紹介
感染症科部長兼予防接種センター長南 希成みなみ きせい
感染症についての知識や経験を生かして、地域と世界の生態系レベルでの健康(ワンヘルス)に貢献したいです。また医療ケア児の在宅医療・訪問診療にも取り組んでいます。
- 主な経歴
- 東京都出身。1996年信州大学医学部卒業。
卒後は松本協立病院、健和会病院(飯田市)など長野県内の病院小児科で勤務。
2008年および2014年、国際NGO「国境なき医師団」より派遣、アフリカでの小児治療ミッションに参加。
2011年より長野県立こども病院総合小児科。
2019年より感染症科部長(総合小児科と兼務)
- 所属学会・その他
- 日本小児科学会専門医、日本小児感染症学会指導医(専門医)、インフェクションコントロールドクター
感染症科 副部長村井 健美むらい たけみ
現在、抗菌薬の効きにくい耐性菌が問題となっています。感染症をただ治せばいいという時代は終わりました。耐性菌の出にくい、適切な感染症治療が必要です。世界標準の適切な感染症診療を提供します。
- 主な経歴
- 東京都出身。2006年 日本大学卒業。 日本大学医学部附属板橋病院で初期研修し、2008年から日本大学小児科入局 2013年 日本大学大学院医学部研究科内科系小児科学専攻博士課程修了 2016年4月から東京都立小児総合医療センター感染症科勤務 2019年4月から長野県立こども病院勤務
- 所属学会・その他
- 日本小児科学会、日本小児感染症学会、感染症学会、環境感染症学会、日本小児科学会専門医、日本小児感染症学会認定暫定指導医、Infection Control Doctor(感染制御医師)