診療科・部門

感染症科

感染症科

感染症科は、感染症の診断や治療に専門的な判断が必要なお子さんを、院内の各診療科と協力して支える診療科です。

当科の診療は、主に院内の各診療科から相談を受けて行う「コンサルテーション」が中心です。重い持病があるお子さん、手術後のお子さん、集中治療を受けているお子さん、免疫の働きが弱いお子さんなどで感染症が問題となった場合に、担当の診療科と一緒に治療方針を考えます。また、命に関わる重い感染症や、診断・治療が難しいまれな感染症など、専門的な対応が必要な病気についても、各科と協力して診療にあたります。このような相談を年間300件ほど受けています。

必要に応じて、他の医療機関からの感染症や感染対策に関するご相談にも対応しています。院内だけでなく、地域の医療機関と連携しながら、長野県全体の子どもの感染症診療を支えることも、県立のこども病院としての大切な役割と考えています。

なお、ふだん健康なお子さんの一般的な感染症(かぜ、インフルエンザ、胃腸炎など)については、当科では直接対応しておりません。まずは地域の医療機関でご相談ください。

主な業務

① 感染症の診療

担当の診療科と一緒に、お子さんの感染症を診療します。治りにくい感染症や、原因がはっきりしない発熱などについて、お子さんの状態や検査結果を確認しながら、よりよい治療を考えます。

② 抗菌薬の適正使用

抗菌薬(抗生物質)は、細菌による感染症を治療するための大切な薬です。一方で、必要のない使用を続けると、薬が効きにくい細菌が増える原因になります。当科では、抗菌薬を必要なときに、適切な種類・量・期間で使えるよう、院内全体で取り組んでいます。いま使える薬を、未来の子どもたちに残していくための大切な活動です。たとえば、ウイルスが原因のかぜには抗菌薬を使わないことも、その大切な一歩です。

③ 感染症の予防

感染症は、治療だけでなく予防も重要です。当科は感染対策チームの一員として、患者さん、ご家族、職員を院内感染から守るための活動を行っています。手洗いや、ベッドまわり・医療機器の清掃など、日々の基本的な対策を大切にし、安心して療養できる環境づくりに努めています。

また、ワクチン接種については、当院に県から委託されて設けられた「予防接種センター」が担っており、感染症科の医師が接種を担当しています。持病などのために地域での接種が難しいお子さんにも、専門的な体制のもとで接種を受けていただけるよう支援しています。詳しくは予防接種センターのページをご覧ください。

④ 原因を調べる検査

感染症の治療では、原因が細菌なのか、ウイルスなのか、ほかの病原体なのかを見きわめることが大切です。適切な検査を行うには、お子さんの状態を検査室と詳しく共有することが欠かせません。そこで当科の医師が、担当の診療科と検査室の間に立ち、必要な情報を伝えて適切な検査につなげるとともに、出てきた結果を専門的な視点から読み解き、診療に役立てています。さらに、院内の生命科学研究センターとも協力し、遺伝子を調べる詳しい検査も取り入れています。正しい診断は、適切な治療につながります。

⑤ 感染症教育

感染症の診療や予防は、医師だけでなく、看護師、薬剤師、検査技師など多くの職員が協力して行います。当科では、院内の職員に向けて感染症に関する教育を行っています。また、ほかの医療機関の医療者や市民に向けて、感染症に関する教育・啓発にも取り組んでいます。

⑥ 感染症研究

子どもの感染症には、まだ十分にわかっていないことが多くあります。当科では、全国の医療機関とともに進められている研究に協力しています。また、研究の成果や日々の診療で得られた知見を学会や論文で発表し、感染症診療の発展に貢献していきたいと考えています。こうした積み重ねを、これからの子どもたちのよりよい医療につなげていきます。

医師の紹介

感染症科部長兼予防接種センター長村井 健美むらい たけみ

現在、抗菌薬の効きにくい耐性菌が問題となっています。感染症をただ治せばいいという時代は終わりました。耐性菌の出にくい、適切な感染症治療が必要です。世界標準の適切な感染症診療を提供します。

主な経歴
東京都出身。2006年 日本大学卒業。
日本大学医学部附属板橋病院で初期研修し、2008年から日本大学小児科入局。
2013年 日本大学大学院医学研究科小児科学専攻博士課程修了。
2016年4月から東京都立小児総合医療センター感染症科勤務。
2019年4月から長野県立こども病院勤務。
所属学会・その他
日本小児科学会、日本小児感染症学会、日本感染症学会、日本環境感染学会、日本小児科学会専門医、日本小児感染症学会認定指導医、Infection Control Doctor(感染制御医師)
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