診療科・部門

臨床検査・病理診断科

臨床検査・病理診断科は、臨床検査を実施するだけでなく、検査結果から患者さんの病態を多面的に解析して診断や治療に必要な情報を主治医に提供する診療科です。そのため患者さんやご家族にお会いする機会はほとんどありませんが、医療技術部の臨床検査科と協力しながら、患者さんがより正確な診断と最適な治療が受けられるよう日々尽力しています。

当院では希少疾患を扱うことが多いため、診断や治療に必要な特殊検査や遺伝子検査は可能な限り院内で実施できるよう環境整備に努めています。当院での検査や診断が困難な場合には、国立成育医療研究センターや国立がん研究センター、信州大学医学部附属病院などの外部専門機関と連携しながら診療を行っています。


主な診療内容

臨床検査

  1. 検査報告書の作成
    感染症や腫瘍の診断に必要な遺伝子検査や、血液学的検査、乳び胸水検査などの報告書を作成して主治医に提供しています。
  2. 検査の品質・精度管理
    定期的な内部・外部精度管理を行い、検査の品質と精度を管理しています。
  3. 検査に関するコンサルテーション対応
    主治医が患者さんの病態に適した検査項目を選択するための相談に応じています。
  4. 他診療科とのカンファレンス
    医師と臨床検査技師の相互教育のため、定期的な症例検討会を開催しています。

病理診断

  1. 組織診
    手術や生検で採取された臓器や組織から標本を作製し、顕微鏡を使って組織学的な評価を行います。免疫組織化学染色や遺伝子検査による客観的指標を併用した統合診断を行っています。
  2. 細胞診
    脳脊髄液や胸水,腹水,尿などに含まれる細胞から標本を作製し、顕微鏡を使って細胞の性状を判定します。また産科・成育女性科の患者さんの子宮頸部細胞診(子宮頸がん検診)も担当しています。
  3. 術中迅速診断
    手術中に治療方針を選択する必要がある場合には、手術中に採取された組織から標本を作製し、術中迅速病理診断を行っています。
  4. 病理解剖
    不幸にして亡くなられた患者さんの死因の究明や生前治療の評価を目的に、ご遺族の承諾のもと病理解剖を行っています。

診療実績

臨床検査・病理診断科 検査報告書件数

2023年
病理診断報告書
組織診 540
術中迅速診断 12
細胞診 38
病理解剖 1
血液学的検査報告書
骨髄像 29
赤血球浸透圧抵抗性試験 1
分子遺伝学的検査報告書
ヒト遺伝子解析 24
ウイルスPCR 19
その他の特殊検査報告書
乳び胸水 20

医師紹介

臨床検査・病理診断科 部長浅香 志穂あさか しほ

患者さんやご家族に直接お会いする機会はほとんどありませんが、迅速かつ適切な検査の提供に努め、こども病院の診療を支える縁の下の力持ちとなれるよう尽力します。

主な経歴
千葉県千葉市出身。2007年信州大学医学部医学科卒業。
2年間の臨床研修の後、信州大学医学部附属病院臨床検査部(2009-2010年・2011-2017年・2020-2023年)、飯田市立病院臨床病理科(2010-2011年)、米国Johns Hopkins大学腫瘍学研究室での研究留学(2017-2020年)などを経て、2023年4月より現職。
所属学会・その他
医学博士、信州大学医学部特任講師・臨床講師、死体解剖資格
日本臨床検査医学会(臨床検査専門医・管理医)
日本病理学会(学術評議員・病理専門医・指導医・分子病理専門医)
日本臨床細胞学会(細胞診専門医)
日本小児病理研究会、日本SIDS・乳幼児突然死予防学会
日本婦人科病理学会、日本婦人科腫瘍学会
United States and Canadian Academy of Pathology
International Society of Gynecological Pathologists
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