診療科・部門

眼科

診療内容・特色

  • 24床の新生児病棟、PICU病棟が円滑に運用できるよう1年365日協力しています。
    (令和3年度は143日、新生児眼科診療を行っています。)
  • 県立の長野、松本盲学校とは、緊密な連携のもと視覚障害児支援をしています。
    また保育施設、養護施設、小学校、養護学校等へも必要に応じた支援を行っています。
  • 乳幼児、発達障害児には、TAC®(テラ-アキュィティカード)をもちいた視力測定を実施しています。
  • 屈折検査にはスキアスコピー、レチノマックス K-plus3®、スクリーニング検査として両眼開放で行えるWelchAllyn社製スポット® ビジョンスクリーナーを用います。
  • 眼圧検査には通常アイケアフィンランド社製のicare®、icare-pro®を使用しています。
  • 眼底透見不能例は、NIDEK社製 US4000® B-modeエコーやMRI、CT画像診断による検査を行います。
  • 調節麻痺(ミドリンP、サイプレジン、アトロピン)点眼薬を用いた屈折検査を、年齢を考慮して随時行い、トプコン社製Triton®(Plus)OCT(光干渉断層装置)、ERG(網膜電図)、VEP(視覚誘発電位)、GP視野検査を用いた多角的な診療を行っています。
  • ERG(網膜電図)検査にはコンタクトレンズ電極を使用しない米国LKC社製のERGレチバル®(フリッカー、コンプリート2機種)を使用します。
  • 色覚検査は仮性同色表(石原式)、パネルD-15テストに加え、コーナン社製ColorDX ®による定量的検査も行っています。(アノマロスコープ検査は他施設に紹介します。)
  • OCT(光干渉断層装置)としてトプコン社製Triton®(Plus)、B-mode(断層)エコーとしてNIDEK社製US4000®を使用しています。
  • ダウン症候群、18トリソミーなどの症候群については、眼科的合併症の定期診察を行います。
  • シノプトフォアを用いた両眼視機能検査を行っています。
  • 眼鏡処方、健眼遮蔽、ペナリゼーション法(健眼散瞳)による弱視治療を行います。
  • 網膜色素変性症、先天性無虹彩症、眼白子症など羞明が強い場合、遮光眼鏡、調光レンズ、虹彩付SCLの処方を行います。
  • 先天性鼻涙管閉塞症に対して、涙道造影、特殊手術(シリコンチューブ留置、涙嚢鼻腔吻合術:DCR)が必要な場合は形成外科に紹介します。
  • 春季カタルにはアレルギー点眼薬、ステロイド点眼薬に加え、免疫抑制薬の点眼薬を処 方します。全身症状には、アレルギー専門外来に紹介します。
  • 手術にはLeica社製のPROVEO8®を使用します。

特殊外来

  • ロービジョン外来を行っています。MNREAD-J検査を行い、臨界文字サイズ、最大読書速度の測定を行います。受験や就職に配慮が必要な場合は書類作成をします。ナイツ社製の拡大読書器NVS-X1®が用意してあります。
  • コンタクトレンズ外来を毎月第4木曜日に行っています。(株)サンコンタクトが来院します。近視治療のオルソケラトロジーは行っていません。

その他

  • 小児集中治療病棟(PICU)の揺さぶられっこ症候群の診療を行っています。
  • 眼瞼下垂手術は当院形成外科に紹介します。当科では弱視治療を行います。
  • 遺伝検索が必要な場合は当院遺伝科に紹介します。
  • 発達障害には必要に応じて当院神経小児科、リハビリ科に紹介します。
  • 神経小児科の抗てんかん薬(サブリル®)治療に協力しています。
  • セカンドオピニオンに応じています。
  • 指定自立支援医療機関(育成医療・更生医療)の指定を受けています。
  • 眼外傷、緊急疾患には対応していません。

診療実績

令和3年度(令和3年4月~令和4年3月)
外来新患(院内紹介初診) 420人(138人)
外来再診(視能訓練を含む) 3859人
新規入院 92人
斜視手術(両眼) 86人(27人)
その他手術(手術室) 5人
入院新患(新生児科) 123人
入院再診(新生児科) 363人
未熟児網膜症レーザー治療(NICU)
  (抗VEGF薬硝子体注射(手術室))
10人(18眼)
治療回数1回:9人
(2人(4眼))

その他のレーザー治療(NICU) 1人2眼 
治療回数1回

検査件数

令和3年度(令和3年4月~令和4年3月)
小児集中治療病棟(PICU) 診療 7人
眼窩部、頭頸部の画像検査
(斜視、眼振、弱視、白色瞳孔等)
CT、MRI検査15件(覚醒11件、眠剤4件)

未熟児網膜症治療実績(人)(2007年10月~2022年3月:14年6ヶ月)

在胎週数別

在胎週数 未熟児網膜症発症
レーザー治療症例数(人)
未熟児網膜症発症
自然軽快症例数(人)
計(人)
在胎22週~(22週0日) 16(2) 5(0) 21(0)
在胎23週~ 43 18 61
在胎24週~ 30 16 46
在胎25週~ 28 37
在胎26週~ 15 31 46
在胎27週~ 30 36
在胎28週~ 38 42
在胎29週~ 23 26
在胎30週~ 39 43
149 209 358

出生体重別

出生体重 未熟児網膜症発症
レーザー治療症例数
未熟児網膜症発症
自然軽快症例数
<300g
<400g
<500g 23 13 36
<600g 36 20 56
<700g 39 20 59
<800g 17 29 46
<900g 11 28 39
<1,000g 24 33
<1,100g 24 30
≧1,100g 47 49
149 209 358

当科では新生児科の全身管理技術の向上を促して自然軽快を目指しています。必要に応じて抗VEGF薬の硝子体注射治療も始めました。

入院・手術実績(人)

入院患者数 斜視手術(両眼) その他手術
平成26年度 35 32(9)
平成27年度 67 53(24) 10
平成28年度 58 44(16) 10
平成29年度 74 66(40)
平成30年度 77 68(28)
平成31年度/令和元年度 91 86(22)
令和2年度 94 90(20)
令和3年度 92 86(27)
588 525(186) 48

斜視手術は全身麻酔で行います。

視能訓練部門

眼科医師の指示のもと、眼疾患に応じて、視機能の異常がないか検査をし、正常な視機能の発達を促すための訓練等を指導いたします。
また、視力の回復の見込みがない患者さんを対象に、本人の持っている見る力を有効に利用する方法を検討し、他施設と連携して支援を行います(視覚しょうがい児のサポート:ロービジョンケア)。

医師の紹介

眼科 部長北澤 憲孝(きたざわ のりたか)

視線が合わない、目が寄っている、白く見える…変だなと感じたら眼科を受診してください。思わぬ疾患が見つかるかもしれません。
興味ある方は「しろくま ニュースレターNO.42、ページ2-3」を参照してください。インタビュー記事が掲載されています。

経歴
長野県長野市出身。
1991年東京大学経済学部経済学科卒業
2000年信州大学医学部医学科卒業
2003年厚生連篠ノ井総合病院 眼科・医員
2004年長野赤十字病院 眼科・医員
2007年信州大学医学部附属病院、長野県立こども病院(非常勤)
2008年信州大学医学部附属病院・助教(特定雇用)
2009年信州大学医学部・助教
2014年長野県立こども病院 眼科・部長
所属学会・その他
日本眼科学会認定眼科専門医、身体障害者福祉法指定医、小児慢性特定疾病指定医、難病指定医、視覚障害者用補装具適合判定医、卒後臨床研修指導医
日本眼科学会、日本緑内障学会、日本小児眼科学会、日本眼科手術学会、信州医学会、日本眼科医会、日本眼科医連盟
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