

現在、超音波診断はさまざまな領域で活用され、非侵襲的な画像診断法として診療上不可欠の診断法となっています。最近では単に2次元や3次元の形態診断ばかりではなく、血行動態診断、さらには組織の硬さを超音波で測定できる装置まで開発されています。このようにエコー診断装置や技術の発展は目覚しいものがあり、最新の画像診断のためには、診療科単位ではなく常に新しい診断技術を習得していくことが日常診療上も重要となっています。
このような観点から、病院全体として超音波機器の管理から運用まで集中して行い、診断技術の教育を行うべく平成23年度に「エコーセンター」が開設されました。エコーセンターでは、診断機器の更新と有効な運用を進め、収益性の向上とともに新技術の円滑な導入と若手医師・技師の教育の促進を目指しています。各領域における最新の超音波機器が整備され、新たな画像診断法などの機器メーカーとの共同研究開発も盛んに行なっています。ここから画像診断に関する臨床研究も多く行われるようになりました。その成果としてエコーセンター所属の超音波検査技師が欧州小児循環器学会(AEPC)に発表し、2nd best poster wardという表彰も受けています。
次世代のための教育指導については、日本超音波医学会指導医2名、超音波専門技師3名が担当していますが、これは長野県内随一の教育指導体制です。全国から見学生、研修生、共同研究の希望者が集まるようになり当エコーセンターで研修されました。今後、超音波専門医や超音波検査技師資格取得を目指す医師、臨床検査技師、看護師、放射線技師の方を院内外の所属を問わず受け入れて、超音波検査技師養成機関としてさらに有効に機能できるように発展していきたいと考えています。平成25年度には、このような資格取得を目指す人たちのために教育プログラムも整備されました。(超音波検査士養成研修プログラムの項を参照)
また、毎月開かれるエコーセンターセミナーは、希望される医療機関へインターネットで配信されてきましたが、今後さらに参加施設数を増やして県内の超音波診断の向上に寄与できるように努力したいと考えております。少しでも多くの患者の皆様へ「よりよい画像診断」が提供できるようにお手伝いできればと考えております
超音波検査士養成研修
エコーセンターでは、超音波検査士を取得するために必要な知識と技術を 習得するための研修を行っております。
超音波検査士養成研修センター長の紹介
エコーセンター長 兼 超音波指導医安河内 聰やすこうち さとし
胎児から成人まで”longitudinal〔縦長的〕“な診断や治療を、病気を持つお子さんとその御両親と一緒に考えてゆきたいと思っています。専門は、心エコー、MRIなどの画像診断とカテーテル治療(経皮的心房中隔欠損閉鎖術など)、心臓再同期療法(CRT)など。

- 主な経歴
- 福岡出身。
信州大学医学部卒業後、横須賀米海軍医療センター、信州大学小児科を経て東京女子医科大学心臓血圧研究所で高尾篤良先生の下、小児循環器学を学ぶ。1990年~1993年 アメリカのJohns Hopkins大学、Cornell大学に留学。 1993年5月 こども病院開設と同時に循環器小児科に赴任。 2002年 同部長 2012年 エコーセンター長 2014年 循環器センター長
- 所属学会・その他
- 日本小児循環器学会理事長、評議員、専門医、日本小児科学会指導医・専門医、日本超音波医学会指導医・専門医、日本心エコー図学会理事、日本胎児心臓病学会理事、日本心臓病学会特別会員(FJCC)、日本循環器学会など