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長野県拡大新生児スクリーニング検査(ライソゾーム病等10疾患)

長野県の新生児スクリーニング検査体制について

現在、長野県立こども病院では、長野県から委託された新生児スクリーニング検査事業として、先天性代謝異常等検査25疾患と令和6年10月から公費化に向けた国の実証事業となった2疾患(原発性免疫不全症及び脊髄性筋萎縮症)を対象とした検査を実施しています。
なお、令和7年1月1月からは、長野県立こども病院の事業として、新たに 10 疾患を追加した『長野県拡大新生児スクリーニング検査』を開始します。

新生児マススクリーニング検査に関する実証事業(長野県事業)

長野県立こども病院が事業主体として、令和4年10月から実施開始した原発性免疫不全症及び脊髄性筋萎縮症を対象とした「オプショナル新生児スクリーニング検査」については、令和6年10月から公費化に向けた国の実証事業となりました。 長野県でもこの事業に参加したことにより、この2疾患を対象とした検査について、保護者による負担がなく無料で受けていただけます。

拡大新生児スクリーニング検査とは?

拡大新生児スクリーニング検査では、長野県が実施する「先天性代謝異常等検査」の追加検査として「ライソゾーム病などの10疾患」を対象として実施します。
症状が出る前に、早く見つけることができると早く治療ができ、発症を抑えたり、症状を軽減することができます。
原則、先天性代謝異常等検査(新生児マス・スクリーニング対象疾患の検査)と合わせて行いますので、赤ちゃんの体への負担は、ほとんどありません。

検査は強制ではありませんが、診断や治療が難しく、早期治療が大切な病気のため、すべての赤ちゃんに新生児期に受けていただくことをお勧めしています。

対象となるお子様

令和7年1月1日以降に長野県内の分娩施設で生まれ、出生時に保護者の方の同意(申し込み)をいただいたお子様が対象となります。
※有料の任意検査です。

検査案内PDF

検査を行う対象疾患

ライソゾーム病(LSD)について

どんな病気?

細胞の中にある“ライソゾーム”は細胞の代謝をコントロールしている器官で、不要な代謝物の分解を行っています。このライソゾーム中にある“酵素”のひとつがうまく働かないために、脂質や糖質が細胞内にたまり、様々な症状が出る病気です。
ライソゾーム病は約60種類知られていますが、この検査ではポンぺ病、ファブリー病、ムコ多糖症Ⅰ型・Ⅱ型・IVA型・VI型、ゴーシェ病、ニーマンピック病A/B型、クラッベ病、副腎白質ジストロフィーの10種類を調べます。

※ファブリー病と副腎白質ジストロフィーは男児のみが対象です。
生後できるだけ早い時期に病気を見つけて、治療を開始できると症状の進行を抑えることが期待できます。

治療法

主な治療法は「酵素補充療法」になります。早期に開始する場合と、経過を見ながら開始する場合があります。
また、酵素活性を増やす薬の内服や、造血幹細胞移植が有効な疾患もあります。

※ゴーシェ病については、中枢神経症状に対する効果は乏しいです。
※クラッベ病、副腎白質ジストロフィーについては、現在酵素補充療法はありません。定期的に検査を行い、発症早期の造血幹細胞移植が有効とされています。

検査の申込方法

検査申し込み

出産される医療機関・分娩施設で申し込みをしてください。
「長野県拡大新生児スクリーニング検査事業申込書兼同意書」に必要事項を記入し、提出していただきます。

検査費用

検査を希望される赤ちゃんを対象に行われる任意検査のため、以下の検査費用を自費料金としてご負担いただきます。
検査費用 8,500円

出生された医療機関・分娩施設でお支払いいただきます。

検査方法

原則、先天性代謝異常等検査(新生児マス・スクリーニング対象疾患の検査)と合わせて行いますので、赤ちゃんの体への負担はありません。

  1. 採血
    生後4~6日目に、かかとからろ紙に採血します。
  2. 検査
    採血後、通常2週間程度で結果が出ます。
  3. 結果
    ■正常な場合
    一か月健診の際に出生医療機関を通して結果をお渡しします。

    ■異常が疑われる場合
    直ちに連絡します。
    出生医療機関から電話でお知らせし、診断・治療のできる医療機関をご紹介します。
  4. 精密検査
    結果で異常が疑われた場合、診断・治療機関で病気かどうかを詳しく調べます。

Q&A

1. 検査の目的は何ですか?

元気にお生まれになった赤ちゃんでも、生まれつきの病気を持っていることがあります。
早く見つけて治療を行うことで、病気の発症や発育障害などを最小限にすることができます。
この検査は任意ですが、拡大新生児スクリーニング検査で調べる病気は発症してからも診断が難しく、病気の発見が遅れると適切な時期に適切な治療ができず、重い障害が残る可能性もあります。ぜひ拡大新生児スクリーニング検査をご検討ください。

2. 検査費用はかかりますか?男女同じ金額なのでしょうか?

拡大新生児スクリーニング検査は有料の検査です。
金額は、男女ともに一律8,500円とさせて頂きます。
出生医療機関へお支払い頂きます。

3. 病気の治療費はどうなりますか?

拡大新生児スクリーニング検査で調べる病気は、どれも国の特定疾病(難病)や小児慢性特定疾患に指定されており、国や地方自治体の医療費助成制度の対象となります。

4. 長野県外で出生したため新生児期に検査を受けられなかった場合でも受けられますか?

出生後2か月以内のお子様であれば検査が可能です。 検査を希望される場合は、出産された医療機関または長野県立こども病院「拡大スクリーニング外来」へお問い合わせください。

長野県立こども病院「拡大スクリーニング外来」のご案内
■予約専用ダイヤル
TEL:0263-73-5300
■拡大スクリーニング検査費用 8,500円
(対象疾患:ライソゾーム病等10疾患)

※上記の検査費用のほか採血管理料2,800円がかかります。

5. 長野県内の市町村による検査費用の補助はありますか?

以下の市町村において検査費用の助成制度が設けられています。(令和7年1月1日時点)

■安曇野市
令和7年1月1日から検査費用の助成事業を実施
※対象者は令和7年1月1日以降に生まれ、検査時に安曇野市に住民登録がある新生児または乳児の保護者(令和6年12月生まれの児の保護者については、検査を希望した場合、助成の対象となります。) 詳細は安曇野市ホームページをご覧ください。

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